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エーラス・ダンロス症候群の型別の人口統計の分析を行いました。

​下記のEDS SOCIETYの記述に則りエーラス・ダンロス症候群の人口統計の分析を行いました。

”Aside from hEDS, the other types of EDS are rarer than 1 in 5000. Classical EDS has a prevalence of 1 in 20,000–40,000. Vascular EDS has a prevalence of 1 in 100,000–200,000. Other types of EDS affect less than 1 in a million or are ultra-rare in that they affect small numbers of individuals and families (Malfait et al., 2017).”

https://www.ehlers-danlos.com/is-eds-rare-or-common/#:~:text=Classical%20EDS%20has%20a%20prevalence,et%20al.%2C%202017).

”Because hEDS is the most common type, accounting for more than 90% of all cases of EDS, most people with EDS will not need genetic testing for diagnosis.”

https://www.ehlers-danlos.com/genetics-and-inheritance/#1674754833562-ed50979d-69ba

上記の情報を計算すると

エーラス・ダンロス症候群全体の有病率は 1/5000

(この数値は過小評価されていると予想されているため、実際の有病率はこの数値よりも多いと予想されていることが研究機関より発表されていますが、今回は上記の1/5000を元に現在診断を受けている患者さんの中での各型別の人口比率の計算をしていきます。

また、エーラス・ダンロス症候群の各型別に診断を受けられない確率が一番高いのが関節型であることが予想されるため、実際の有病率の中で関節型が一番過小診断されている確率が高いとも思うのですが、とりあえず今回は今診断を受けている中での人口比率を計算しました。)

関節型(全体の1/5000の有病率の9割より多い) 9/50、000 

= 18/100、000

=180/1、000、000

(100万人中 180人より多い)

古典型 1 / 20、000ー40、000 

= 5/100、000ー200、000

= 25ー50/1、000、000

(100万人中 25ー50人)

血管型 1 / 100、000ー200、000

=5ー10 / 1、000、000

(100万人中 5ー10人)

他の型

1/1、000、000未満

(100万人中 1人未満)

結論は

100万人の一般人口の中に

関節型が 180人​より多い

古典型が 25ー50人

血管型が 5ー10人

その他が 1人未満

です。

ちなみに日本国内ではこの計算値よりも関節型の患者さんの人数が少ない(=関節型が診断を受けづらい)傾向にあるように感じられます。

・日本は欧米と比べてエーラス・ダンロス症候群の知識に長けている医師が少ないため関節型の症状が否定されやすい。

・関節型は自律神経失調症や「精神的」と思われがちな症状が多い。

・関節型は遺伝子で客観的に診断できないので臨床症状がかなり当てはまっていても「遺伝子検査が陰性なら違う」と医療関係者に否定されやすい。

・日本国内のエーラス・ダンロス症候群は過去に遺伝子検査の結果が陽性ではないと難病指定が取れなかった制度が存在し、その当時、遺伝子が見つからない関節型の患者さんに一般人口でも陽性になる一部の古典型や血管型の遺伝子が見つかった場合(いわゆる検査の偽陽性の場合)に、担当医師が本来、その患者さんは関節型の診断を受けるべきであり、その古典型と血管型の遺伝子は実際の原因となっている遺伝子とは違うと思いながらも、関節型の患者さんに古典型や血管型という診断をつけていたことがある。

などが原因のように感じられます。

しかし、例えば日本人やアジア人には遺伝子的な問題などで欧米に比べて本当に実際の関節型の患者数が少ないという可能性もあると思います。

日本の関節型の患者さんの比率が上の計算よりもだいぶ少なく感じられる件に関して、ここでは原因を推測することしかできず正確な原因はよくわからないというところです。

とりあえず、日本国内で診断を受けている患者さんに関しては関節型の患者さんが上記の計算で割り出される割合よりもだいぶ少ないように感じられます。

こちらのサイトは患者さんから提供された情報で作成されています。

皆様からの情報をお待ちしております。

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